TASKUL コラム 個人事業主のタスク管理術|案件と事務を両立する3つの型
個人事業主のタスク管理術|案件と事務を両立する3つの型

個人事業主のタスク管理術|案件と事務を両立する3つの型

Web制作ディレクター / 編集 佐々木 篤

Web制作・ディレクションに5年以上携わる現役ディレクター。フリーランスとして個人で案件を回す立場と、制作会社を運営してチーム・外注を管理する立場の両方を経験。現在はクリエイター向けのタスク・案件管理ツールの企画・開発にも携わり、作る側と使う側の両視点から、フリーランス・制作現場の業務効率化について執筆しています。

個人事業主のタスク管理で一番やっかいなのは、案件のタスクと、事業主としての事務が同じ頭の中で混ざることです。デザインの修正対応をしながら、頭の片隅で「そういえば先月分の請求まだだ」「経費の記帳も溜まってる」が同時に動く。この状態が続くと、本業の集中力が確実に削られます。

結論から言うと、個人事業主に必要なのは高機能なツールではありません。案件・お金・締切の3つを1か所で見える化することです。3つが1か所に見えるだけで、頭の中の「気がかり」をツールに預けられて、目の前の仕事に集中できるようになります。この記事では、会社員でもフリーランス(外注先)でもない「事業主」ならではのタスク管理の作り方を解説します。月末の請求漏れチェックにそのまま使える「案件×お金」の管理表(コピペ用・記入例つき)も載せているので、急ぐ方は月次タスクの章からどうぞ。

個人事業主のタスク管理は、なぜフリーランスより難しいのか?

最大の理由は、管理すべきタスクの種類が「案件」だけで終わらないからです。

「フリーランス」と「個人事業主」はほぼ同じ意味で使われますが、タスク管理の観点では明確な違いがあります。案件をこなすだけなら、やることリストで十分です。しかし個人事業主は、事業を続けるための事務作業が常にバックグラウンドで走っています。

個人事業主が抱える「2種類のタスク」とは?

答えは「案件タスク」と「事業タスク」の2つです。

  • 案件タスク:制作・納品・修正対応など、売上に直結する本業の作業
  • 事業タスク:請求書発行、入金確認、経費の記帳、確定申告、取引先とのやり取り、見積もり作成

問題は、この2つが別々の場所で管理されがちなことです。案件はタスク管理ツールやメモ、お金は会計ソフトや通帳、締切は頭の中——とバラバラだと、「全体で今、何が手つかずなのか」が誰にも見えません。

ユーザー
個人事業主(Webデザイナー)

案件のタスクは管理してるんですけど、請求とか経費が抜けがちで…。確定申告の時期に毎年地獄を見ます
TASKUL AI
TASKUL AI

その抜け方は、案件と事務を別々に管理しているのが原因です。「請求」「記帳」も案件と同じタスクリストに繰り返しタスクとして置くだけで、申告期の地獄はかなり減りますよ。

「請求漏れ」と「申告直前の徹夜」は同じ原因

毎年2〜3月に確定申告で徹夜する人も、月末の請求を忘れる人も、一見別の問題に見えて原因は同じです。事務タスクを「締切のあるタスク」として可視化できていないことです。

納品して安心した瞬間に請求が記憶から消える。経費の記帳を「あとでまとめてやる」と先送りした結果、1年分が3月に襲ってくる。どちらも、事務を案件と同じ重みでタスク化していれば防げたはずのものです。

個人事業主のタスク管理に最低限必要な3つの要素

ツールを選ぶ前に、まず「何が見えていれば回るのか」を決めます。個人事業主に必要なのは、次の3つを1か所で見られることだけです。

要素1:案件の進捗と納期が見えること

今抱えている案件が何件あって、それぞれの納期がいつかが一覧で見えないと、受注のペース配分ができません。「来週は空いてると思ったら3件の納期が重なっていた」を防ぐ基本です。

要素2:お金(請求・入金)の状態が見えること

納品済みなのに未請求の案件、請求済みなのに未入金の案件——この2つが見えるだけで、キャッシュフローの不安はかなり消えます。個人事業主にとって、請求漏れは「働いたのに売上にならない」最悪のミスです。

要素3:締切(納期+事業の期限)が見えること

案件の納期だけでなく、確定申告・消費税・住民税といった事業の期限も同じカレンダーに乗せます。事業の締切を案件と同じ場所で管理するのが、個人事業主のタスク管理の肝です。

確定申告で慌てないための「月次タスク」の作り方

個人事業主の事務で最も重いのが確定申告です。そして、確定申告がつらくなる理由はただ1つです。1年分の作業を2〜3月にまとめてやろうとするからです。逆に言えば、月次で小さく処理しておけば、申告期は集計するだけで終わります。

毎月末に固定すべき3つのタスク

申告期の負担を減らす鍵は、月末の「締め作業」を習慣化することです。次の3つを毎月末の繰り返しタスクとして固定してください。

  • 経費の記帳:レシート・領収書をその月のうちに会計ソフトに入力する。溜めると確実に記憶が飛びます。
  • 請求の確認:その月に納品した案件で、未請求のものがないかをチェックする。
  • 入金の照合:先月請求した分が入金されているか、通帳・口座を確認する。

経費・請求・入金の3点を月末の30分で済ませておくと、年末の負担が劇的に減ります。「忙しくて月末にできなかった」を防ぐには、繰り返しタスクにして通知を出すのが確実です。

コピペで使える「案件×お金」管理表(記入例つき)

月末チェックを確実にするには、案件の進捗と請求の状態を1枚で見られる表を作っておくのが早道です。下の枠内をコピーして、GoogleスプレッドシートのA1セルに貼り付けてください。タブ区切りなので、そのまま列に分かれます。

案件名	クライアント名	納期	進捗	請求状態	請求日	入金予定日	入金確認
LPデザイン	株式会社ABC	9/30	納品済み	請求済み	10/1	10/31	済
バナー制作	株式会社DEF	9/15	納品済み	未請求	-	-	-
サイト保守(9月分)	株式会社GHI	月末	対応中	未請求	-	-	-

月末はこの表を上から見て、3つだけ確認します。①「納品済み」なのに「未請求」の行を探して請求書を出す ②「請求済み」で入金予定日を過ぎたのに「入金確認」が空の行を探して連絡する ③来月納品予定の案件の請求タイミングを決めておく。表が1枚あるだけで、請求漏れと入金の取りこぼしはほぼ防げます。

「進捗」「請求状態」「入金確認」の列は、スプレッドシートのプルダウン(データ→データの入力規則)にしておくと入力が数秒で終わり、表が続きやすくなります。

スプレッドシートを開くのが面倒で表が止まってしまう場合は、個人向けの無料の進捗管理アプリに切り替えたほうが続きます。

確定申告のタスクはいつ置けばいい?

確定申告の提出期限(通常3月15日)から逆算して、1月に「申告準備開始」、2月に「書類作成」のタスクを置きます。月次の記帳ができていれば、この年次タスクは集計と最終チェックだけになります。住民税・消費税(課税事業者の場合)の納付期限も、同じカレンダーに乗せておくと納め忘れがありません。

重要なのは、事業タスクを案件タスクと同じツール・同じカレンダーで管理することです。事務だけ別のメモやスマホのリマインダーに分けると、結局どこかで見落とします。案件の納期と事業の期限が1つの画面に並んでいる状態が理想です。

【職種別】個人事業主のタスク管理はどこでつまずく?

同じ個人事業主でも、つまずくポイントは職種で変わります。修正の往復、待ち時間、請求の管理、条件の取り決め、継続と単発の混在——自分の職種のパターンに心当たりがあれば、それがタスク管理を見直すサインです。

Webデザイナー・コーダー

修正依頼が何度も往復し、「どのバージョンのどの指摘が未対応か」が見えなくなります。案件ごとに修正タスクを切り分けて管理しないと、納品直前に対応漏れが発覚します。

動画クリエイター

書き出し・確認・再修正の待ち時間が長く、複数案件のレンダリング待ちが重なると進行が頭から抜けます。「待ち」状態のタスクを可視化できるかが鍵です。

ライター・編集者

1件あたりの単価が分散し、案件数が多くなりがちです。タスク管理より「いつ・いくら請求するか」の管理が崩れ、納品済み未請求が積み上がります。

イラストレーター・カメラマン

制作物の権利・納品形式・追加カットなど、案件ごとに条件が異なります。条件の取り決めをタスクと一緒に残しておかないと、後から「言った・言わない」が起きます。

マーケター・コンサル

月額の継続案件(運用・顧問)と単発案件が混在し、繰り返しタスクと締切タスクが混ざって優先順位が壊れます。

共通するのは、タスクが発生した瞬間にその場で記録できる仕組みがないと、繁忙期に必ず崩れるということです。職種が何であれ、入力の手間が軽いツールを選ぶことが続けるための前提になります。

個人事業主のタスク管理ツールはどう選ぶ?

個人事業主のツール選びで失敗しやすいのが、「1つのツールで全部やろうとする」ことです。会計まで完璧にできるタスク管理ツールはありませんし、逆に会計ソフトはタスク管理には向きません。役割を分けて、必要な部分だけ連動させるのが現実解です。

Todoist:シンプルに「やること」を管理したい人に

タスクを自然言語で素早く入力できるのが強みです。「毎月末 経費記帳」のような繰り返しタスクの設定が得意で、事務タスクの定期化に向いています。一方で、案件ごとの売上や請求の管理は守備範囲の外なので、お金の管理は別の場所が必要になります。

Notion:自分専用の管理表を作り込みたい人に

データベース機能で、案件・請求・経費を1つのワークスペースにまとめられます。自由度は圧倒的ですが、その分自分でゼロから設計する手間がかかります。設計が好きな人には最適ですが、「すぐ使い始めたい」人には重いです。

クラウド会計ソフト:お金まわりの本丸

確定申告・記帳・請求書発行は、会計ソフトに任せるのが確実です。ただし会計ソフトは「税務」のためのもので、案件の進捗管理やタスク管理には向きません。案件管理ツールと併用し、請求データだけ連携させる使い方が王道です。

TASKUL:案件と請求を一元化したい個人事業主に

TASKULのクライアント別案件一覧画面

TASKULは、フリーランス・個人事業主向けに設計されたAIタスク管理ツールです。クライアントからの依頼文をコピペするだけでAIがタスクを自動分解し、案件ごとの進捗・納期と、見積書・請求書を同じ場所で管理できます。

TASKULのAIプロジェクト作成画面

見積書・請求書も同じ場所で作成できるため、「納品済み・未請求」の案件に気づきやすくなります。会計ソフトのように確定申告まではできませんが、案件管理と請求管理を1つにまとめたい個人事業主には噛み合います。無料プランがあり、Standardプランは月980円です。有料プランは14日間無料で試せます。

  • 向いている人:案件と請求をまとめて管理したい、入力の手間を減らしたい
  • 向いていない人:記帳・確定申告まで1つのツールで完結させたい(会計ソフトとの併用が前提)


TASKUL - 個人事業主向けAIタスク管理ツール 14日間無料

個人事業主のタスク管理ツール比較表

項目 TASKUL Todoist Notion 会計ソフト
案件の進捗・納期
見積書・請求書の作成
確定申告・記帳
入力の手間 少(AI自動化) 多(自分で設計)
料金 無料あり/月980円(年払いで月あたり784円) 無料プランあり(有料は公式サイト参照) 無料〜月1,650円(プラス) 製品・プランによる
向いている人 案件+請求を一元化 ToDo中心 作り込みたい お金の本丸

おすすめの組み合わせは、「案件・タスク管理ツール」+「会計ソフト」の2本立てです。日々の案件と請求はタスク管理ツールで回し、税務は会計ソフトに任せる。この役割分担が、個人事業主にとって最も無理がありません。

複数の取引先と並行するときのタスク管理はどうする?

答えは、取引先ごとの進行ルールに合わせつつ、自分のタスクは自分の管理ツールに集約することです。制作会社やチームの案件を受ける個人事業主は、相手のツール(チャットや共有シート)に書かれた依頼も、必ず自分のタスク一覧に転記します。複数の取引先と並行で動いても、それぞれの締切を1か所で見渡せる状態を崩さないのが原則です。

逆に、発注側の制作会社・広告代理店でよくあるのが、ディレクターの頭の中だけで進行が回っていて、担当者が変わった瞬間に案件がブラックボックス化するケースです。進行管理が属人化している典型で、案件情報を1か所に集約しておくことで防げます。詳しくは「制作会社の進行管理が属人化する原因と対策」で解説しています。

今日からできる個人事業主のタスク管理3ステップ

ツールを選んだら、最初にやることはシンプルです。

ステップ1:今ある案件と事務タスクを全部書き出す

頭の中にある「気がかり」を、案件・事務を問わず全部1か所に出します。請求待ち、記帳、見積もり返信——全て可視化することから始めます。

ステップ2:事務タスクを「繰り返し」で固定する

「毎月末:請求確認」「毎月末:経費記帳」「毎年1月:確定申告準備開始」を繰り返しタスクとして登録します。一度設定すれば、二度と忘れません。

ステップ3:毎朝5分、今日やることを3つに絞る

朝にタスク一覧を開き、案件・事務の中から今日やる3つを決める——その5分の習慣だけで、管理が「やってる感」で終わらず、実際に前に進みます。

ユーザー
個人事業主(動画クリエイター)

繰り返しタスクで事務を固定するの、目からウロコでした。今まで全部記憶頼りだったので…
TASKUL AI
TASKUL AI

記憶に頼ると、案件が立て込んだ時に必ず事務が後回しになります。「仕組みで忘れない」状態を作れば、繁忙期でも事務が崩れません。

個人事業主のタスク管理はなぜ続かない?よくある失敗4パターン

続かない原因の大半は、ツールの分散・管理表の作り込みすぎ・事務の後回しのどれかです。1つでも当てはまったら、仕組みを見直すサインです。

起きていること(症状) 原因 打ち手
どのツールに何を書いたか思い出せない タスク・メモ・お金・予定を別々のツールに分散させている 案件・タスク・締切を1つに集約し、会計だけ分ける
作った管理表が数週間で放置される 最初から項目を作り込みすぎて、更新の手間が重い 項目を絞って雑に始め、運用しながら足す
請求や記帳が毎回ギリギリになる 事務を「時間が空いたらやる」扱いにしている 月末の繰り返しタスクにして通知を出す
案件が増えるほど管理に時間を取られる 案件ごとのタスク設計を毎回手作業でやっている AIで依頼文からタスク化するなど、管理自体を軽くする

失敗1:ツールを増やしすぎて、どこに何があるか分からない

タスクはTrello、メモはNotion、お金はスプレッドシート、予定はGoogleカレンダー——と分散させた結果、「確認する場所」が増えてかえって管理コストが上がるパターンです。ツールは少ないほどいい。案件・タスク・締切は1つに集約し、会計だけ別にする、くらいの割り切りが続きます。

失敗2:完璧な管理表を作って、運用が続かない

特にNotionで起きがちです。最初に作り込んだ立派なデータベースが、3週間後には更新されず放置されがちです。管理表の美しさは売上に1円も貢献しません。「雑でも毎日開く」方が、「完璧だけど開かない」より100倍マシです。最初は項目を絞り、運用しながら足すのが正解です。

失敗3:事務を「時間が空いたらやる」にしている

時間は永遠に空きません。請求も記帳も、「いつやるか」を決めて繰り返しタスクにしない限り、永遠に後回しになります。事業タスクは案件と同じ締切付きタスクとして扱う——これが個人事業主のタスク管理の核心です。

失敗4:単価の安い案件にタスク管理コストを奪われる

案件数が増えると、1件あたりの管理の手間がそのまま負担になります。AIで依頼文から自動でタスク化できるツールを使うなど、管理そのものを軽くしないと、案件を増やすほど消耗します。

ユーザー
個人事業主(ライター)

立派な管理表を作っては放置、を何回も繰り返してます…。結局シンプルなのが一番なんですね
TASKUL AI
TASKUL AI

「作り込む」と「続く」は別物です。最初から完璧を目指さず、依頼が来たらコピペで放り込むだけ、くらい雑に始めるのが結局いちばん続きますよ。

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まとめ:個人事業主のタスク管理は「案件+お金+締切」を1か所に

個人事業主のタスク管理がうまくいかないのは、意志や能力の問題ではありません。案件と事務がバラバラの場所で管理されているという、仕組みの問題です。

  • 案件の進捗・納期
  • お金(請求・入金)
  • 締切(納期+事業の期限)

この3つを1か所で見えるようにし、事務タスクは繰り返しで固定する——仕組みはそれで十分で、確定申告期の徹夜も月末の請求漏れも、かなりの確率で防げます。

案件と請求を一元管理したいなら、依頼文を貼り付けるだけで始められるTASKULを無料で試してみてください。会計ソフトと組み合わせれば、個人事業主のタスク管理はぐっと軽くなります。


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よくある質問

Q. 個人事業主のタスク管理がフリーランスより難しいのはなぜ?

案件のタスクに加えて、確定申告・請求・経費精算・取引先管理といった「事業主としての事務」が常に走るからです。本業のタスクと事務タスクが同じ頭の中で混ざると、締切が見えなくなります。

Q. 個人事業主に最低限必要なタスク管理は?

案件タスク・入金/請求の管理・締切(納期と申告期限)の3つを1か所で見える化することです。3つが同じ画面に並ぶだけで、抜け漏れの大半は防げます。

Q. 個人事業主向けのタスク管理ツールは何がいい?

シンプルさ重視ならTodoist、自由度重視ならNotion、案件と請求まで一元化したいならTASKULが向いています。会計はクラウド会計ソフトと役割分担するのが現実的です。

Q. 確定申告のタスクはどう管理すればいい?

毎月末に「経費の記帳」「請求の確認」を繰り返しタスクとして固定し、1〜3月に申告タスクを置くのがおすすめです。月次で小さく処理しておくと、確定申告期に作業が集中しません。

Q. 案件管理と会計ソフトは分けるべき?

分けるのが現実的です。クラウド会計ソフトは税務処理に特化し、案件・タスク管理ツールは進捗と納期の管理に特化しています。請求データだけ連動できれば十分です。

Q. 個人事業主がタスク管理を続けるコツは?

入力の手間を減らすことです。依頼文をコピペするだけでタスク化できる仕組みにし、毎朝5分で今日やることを確認する習慣をつければ、管理自体がタスクにならず続きます。

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