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フリーランスの案件の断り方|メール例文と「いつなら受けられるか」の出し方

公開日 最終更新日

執筆:TASKUL編集部

フリーランスの案件の断り方|メール例文と「いつなら受けられるか」の出し方

「新しい依頼はありがたいけれど、今の案件で手一杯」「断ったら、次から声がかからない気がする」。依頼のメールを開いたまま、返事の書き出しで手が止まっていませんか。

フリーランスの案件の断り方は、見送る・開始日をずらす・一部だけ受ける・紹介するの4つです。どれを選ぶかは、手持ちの案件と確認待ちから出した「着手できる日」と、日程を動かせるか・作業を分けられるか・紹介できる人がいるかで決まります。

返事を書く前に着手できる日を出しておけば、見送るのか、時期をずらして受けるのかで迷わずに済みます。

この記事は、Web制作・デザイン・動画・ライティングなどをクライアントから直接受けているフリーランス向けです。着手できる日の出し方、返し方を選ぶ判断表、直して送れるメール例文を、架空の例で紹介します。メール例文は3つ目の章にあります。

派遣・SES・転職エージェント経由の案件を辞退したい人や、クラウドソーシングで契約した後の辞退の手続きを知りたい人は、紹介元の担当者やサービスのヘルプを先に確かめてください。最後に、締切と確認待ちを探す手間をTASKUL(タスクル)で減らす方法も、できないことと合わせて紹介します。

フリーランスの案件の断り方は4つ|見送る・開始日をずらす・一部だけ受ける・紹介する

返し方は4つあり、どれにするかは着手できる日と依頼の締切の差に加えて、日程を動かせるか・作業を分けられるか・紹介できる人がいるかで決まります。着手できる日から作業して締切に間に合うなら受け、間に合わないときに4つから1つを選びます。

フリーランスの案件の断り方を選ぶ流れの図。締切に間に合わないとき、日程を動かせるなら②開始日をずらす、作業を分けられるなら③一部だけ受ける、紹介できる人がいるなら④紹介する、どれも「いいえ」なら①見送る
締切に間に合わないときは、日程を動かせるか、作業を分けられるか、紹介できる人がいるかの順に確かめます。どれも難しいときに見送ります。

着手できる日とは、手持ちの案件の作業と、先方の確認から戻ってくる作業を全部入れたあとで、新しい依頼に手を付けられる最初の日のことです。出し方は次の章で説明します。日付が出たら、次の表で返し方を決めます。

今の状況 返し方 返事に書くこと 向かない場面
着手できる日からでは締切に間に合わず、日程も動かせない。作業を分けられず、紹介できる人もいない ①見送る 依頼へのお礼、受けられないこと、理由を1文、いつ以降なら受けられるか 開始日や締切が「来週から」「月末ごろ」のような希望で、日程を相談できそうなとき(②を先に考える)
着手できる日が先方の希望より後。ただし希望の日程は目安か、決まっている公開日・発売日までには納品できる ②開始日をずらす 着手できる日と納品できる日、日程が変わる場合にいつまでに連絡するか 納品できる日が、決まっている公開日・発売日・イベントの日より後になる依頼
依頼の一部(デザインだけ、トップページだけなど)なら締切に間に合う ③一部だけ受ける 受ける範囲と受けない範囲、受ける部分の納品日 分けると、仕上がりを誰が確かめるのかがあいまいになる依頼
自分は受けられないが、同じ作業を受けられる知り合いがいて、本人が了解している ④紹介する 紹介する人の名前と得意な作業、その人に直接連絡してほしいこと 知り合いの了解と空きを、まだ確かめていないとき
確認待ちの案件から戻ってくる修正の量が読めず、日程が前後しそう ②を条件つきで ②の内容に加えて、日程が変わる条件と、そのときの納品できる日を1文 連絡すると書いた日までに、修正の量が分からない見込みのとき

②と③は、日程や範囲を変えて受ける返し方です。公開日が決まっている依頼でも、納品できる日がその前なら②で受けられます。納品できる日が公開日より後なら、開始日をずらす返し方は使えません。その場合は、③か④を先に考えます。

複数案件を同時に回すフリーランスの案件管理術の記事では、週ごとの作業時間から、受けられる量を見積もる方法を説明しています。この記事では、今来ている依頼1件について「何日から手を付けられるか」を日付で出します。

断ってよい?断ると次の依頼は来なくなる?

断っても問題ありません。受けたあとに今の案件か新しい依頼が遅れるほうが、先方の予定を崩すぶん、関係を損ねやすいからです。

次の依頼が来るかどうかは、断ったことよりも返事の中身で変わります。理由を1文で伝え、いつ以降なら受けられるかを添えておけば、先方は次に頼む時期を考えられます。

ただし、そう書いても次の依頼が来るとは限りません。見送った依頼の相手には、手が空く時期にこちらから連絡する日を決めておくと、やり取りが途切れにくくなります。

案件を断る前に「いつなら着手できるか」を出す3ステップ

着手できる日は、手持ちの案件を締切順に並べ、確認待ちから戻る作業を足し、新しい依頼の作業時間を後ろに積んで出します。紙でも表計算ソフトでも計算できます。ここでは架空のWebデザイナーの例で計算します。

例の前提は次のとおりです。10月13日(火)に、取引先のD社から「新しくLPを1本、10月19日(月)に着手して10月27日(火)に納品してほしい」とメールが届きました。公開日の記載はありません。

この例では、1日に作業に使える時間を5時間とし、土日は作業しないことにします。打ち合わせなどの予定は、この期間には入っていないものとします。1日の作業時間は、自分が過去の案件で実際に作業できた時間に置き換えてください。

①手持ちの案件を締切順に並べ、残りの作業時間を書く

手持ちの案件を、締切が近い順に1行ずつ書き出します。各行には、次にやる作業と、納品までに残っている作業時間を書きます。

残りの作業時間は「あと何日」ではなく「あと何時間」で書きます。日数で書くと、1日に2つの案件を進めた日を、両方の案件で1日ずつ数えてしまうからです。

例では、締切が10月20日(火)のB社のバナーが残り6時間、10月23日(金)のA社のLPが残り20時間です。

締切は、メール・チャット・自分のカレンダーに散らばっていることが多いので、ここで1か所に集めます。フリーランスのスケジュール管理術の記事では、予定全体を破綻させない立て方を説明しています。

TASKULのタスクカレンダー(月間)の2026年10月。16日にC社の「修正案の確認待ち」、20日に納期「バナー月4本」とタスク「残り2本の制作」、23日に納期「LP制作」とタスク「コーディング」、27日に納期「コーポレートサイト修正」とタスク「戻ったら修正」が並ぶ
TASKUL(タスクル)のタスクカレンダーの「月間」に、例の手持ち3件を入れた画面です。オレンジの帯がプロジェクトの納期、チェック欄の付いた行が、その日に期限を迎えるタスクです。データは架空です。

②先方の確認待ちが「いつ戻るか」を書き足す

先方の確認待ちの案件も、戻ってきた後の作業時間を表に入れます。今は手が空いていても、確認が戻れば修正の作業が入るからです。

例のC社のコーポレートサイトは、修正案を先方に出していて、10月16日(金)に戻る予定です。戻ってから修正に5時間かかる見込みなので、残りの作業時間に5時間と書きます。確認待ちを数え忘れると、着手できる日が早く出ます。

TASKULの「全てのタスク」の画面。A社・B社・C社ごとに案件とタスクが並び、C社の「修正案の確認待ち」は状態が「確認中」で期日が2026/10/16。メモの列には「残り20時間」「残り6時間」「残り5時間」と残りの作業時間が出ている
確認待ちのC社のタスクは状態を「確認中」にし、先方から戻る予定の10月16日を期日に入れています。「メモ」の列には、タスクの説明に書いた残りの作業時間が出ます。データは架空です。

戻る日が読めないときは、戻る予定の日と、遅れた場合の日の2つを書いておきます。遅れた場合の日は、その案件の締切に間に合うかを確かめるために使います。

この例では、C社の戻りが10月23日(金)に遅れても、待っている間にD社の作業を進められるので、D社の納品できる日は変わりません。この例で納品できる日が後ろにずれるのは、戻ってきた修正が見込みより多かったときです。

③新しい依頼の作業時間を足し、着手できる日と納品できる日を出す

最後に、新しい依頼にかかる作業時間を見積もり、手持ちの案件の後ろに積みます。例では、D社のLPにデザインからコーディングまでで25時間かかると見積もりました。

依頼の締切までに使える時間と比べる

まず、先方の希望どおりに受けられるかを確かめます。10月14日(水)から10月27日(火)までの平日は10日で、1日5時間なら使えるのは50時間です。必要なのは、手持ちの31時間とD社の25時間を合わせた56時間です。

フリーランスが案件を断るか決める前の計算の図。希望日程では6時間不足。使える時間50時間に対し、手持ち31時間と新しい依頼25時間で必要な時間は56時間。着手は10月22日(木)、納品は10月29日(木)
例のD社の依頼では、使える50時間に対して56時間が必要で、6時間足りません。着手と納品の日付の出し方は、次の見出しで説明します。

6時間足りないので、希望の日程では受けられません。使える時間が足りなければ、4つの返し方から選びます。1日の作業時間を増やして埋めると、今の案件が少しでも押したときに、両方の締切に響きます。

着手できる日と納品できる日を、日付で出す

返事を書く日の翌日、10月14日(水)から1日5時間ずつ手持ちの31時間を入れると、10月22日(木)の最初の1時間でC社の修正まで終わります。その日の残り4時間からD社に手を付けられ、25時間を積むと10月29日(木)に終わります。着手は10月22日(木)、納品は10月29日(木)です。

自分の案件に書き換えて使えるように、計算の中身を表にしました。列はタブで区切っているので、コピーして表計算ソフトに貼り付けられます。

案件	次の作業	残りの作業時間	確認待ちの戻り予定	締切
(架空)B社 バナー月4本	残り2本の制作	6時間	なし	10/20(火)
(架空)A社 LP制作	コーディング	20時間	なし	10/23(金)
(架空)C社 コーポレートサイト修正	確認待ち→戻ったら修正	5時間	10/16(金)	10/27(火)
手持ちの合計		31時間
(架空)D社 LP(新しい依頼)	デザインからコーディングまで	25時間		10/27(火)希望
前提	1日5時間・土日は作業しない・10/14(水)から計算
10/27までに使える時間	50時間(必要なのは56時間)
着手できる日	10/22(木)
納品できる日	10/29(木)
C社の戻りが10/23(金)に遅れた場合の納品できる日	10/29(木)
C社の修正が10時間に増えた場合の納品できる日	10/30(金)

D社の希望は10月19日(月)着手・10月27日(火)納品なので、着手で3日、納品で2日遅れます。公開日が決まっていない依頼なので、判断表の②「開始日をずらす」を選びます。

もしD社の公開日が10月27日に決まっていれば、納品できる10月29日はその後なので、②は使えません。作業を分けられなければ、①見送るか④紹介するに切り替えます。

この例で、返事を書く前に手でやったことは次の4つです。

  1. メールとチャットをさかのぼって、3件の締切を拾う
  2. C社の確認が戻る予定を、やり取りの中から探す
  3. 3件の残りの作業時間を足す
  4. カレンダーで土日と予定の入った日を確かめながら、1日5時間ずつ日付に割り振る

新しい依頼が来るたびに、この4つを繰り返します。手持ちの案件が増えるほど、締切と確認待ちを探すだけで時間がかかり、返事が遅れます。

案件の断り方メール例文|4つの返し方ごとに

この章の例文は、3ステップの例に出てきたD社への返事として書いています(④の知り合いへの確認だけは、知り合い宛てです)。4つの返し方の先方への返事は、どれも、あいさつの次に依頼へのお礼、続けて結論、理由は1文、最後に次につながる一言、の順です。

理由に、ほかの取引先の名前や案件の中身は書かないでください。

①見送る:理由を1文にして、次につながる一言で終える

見送るときは、受けられない理由を1文で書き、いつ以降なら受けられるかを日付で添えます。「今は忙しくて」だけだと、先方は次にいつ頼めばよいのか分かりません。

次の例文は、D社の公開日が10月27日(火)に決まっていて、作業を分けられない場合の返事です。

件名:Re: LP制作のご依頼について
株式会社D 〇〇様

お世話になっております。△△です。
LP制作のご依頼をいただき、ありがとうございます。
申し訳ありませんが、今回はお引き受けを見送らせてください。
現在お預かりしている案件と締切が重なり、10月27日の公開に間に合わせることができません。
10月22日(木)以降に着手する案件でしたら、お受けできます。
また機会がありましたら、お声がけいただけるとうれしいです。

△△(署名)

②開始日をずらして受ける:着手できる日と納品できる日を先に書く

開始日をずらすときは、着手できる日と納品できる日を、メールの前半に書きます。先方は、その日付で社内の予定が組めるかをすぐに判断できます。

新しい依頼の開始日や納期を相談する交渉のメールも、同じ形で書けます。日程が変わる条件があるときは、いつまでに連絡するかも書きます。例では、着手の前日の10月21日(水)を連絡する日にしています。

件名:Re: LP制作のご依頼について(日程のご相談)
株式会社D 〇〇様

お世話になっております。△△です。
LP制作のご依頼、ありがとうございます。ぜひお引き受けしたいと考えています。
ご希望の10月19日(月)からの着手は難しいのですが、10月22日(木)に着手し、10月29日(木)に納品する日程であればお引き受けできます。
ほかにお預かりしている案件と、締切が重なっているためです。
ほかの案件の進み具合で日程が変わる場合は、10月21日(水)までにご連絡します。
この日程でよろしければ、ご返信いただけますでしょうか。

△△(署名)

確認待ちから戻る修正の量が読めないとき(判断表の5行目)は、日程が変わる場合の1行を、条件と日付を書いた形に替えます。例では、C社の修正が10時間に増えると、納品できる日は10月30日(金)になります。

ほかの案件で戻ってくる修正の量によっては、納品が10月30日(金)になる場合があります。
確定した日程は、10月21日(水)までにご連絡します。

先方が日程に同意したら、着手の前に、金額・支払期日・修正の回数などの条件をメールで確かめておきます。確かめる項目と返信の文例は、取引条件の明示で受ける側が確かめる8項目の記事にあります。

ずらした日程に間に合わなくなりそうなときは、フリーランスの納期管理の記事で、先方への連絡の仕方を確かめてください。

開始日をずらさずに急いで受けると決めたときは、急ぐために増える作業から特急料金を出し、見積書に1行足します。出し方と返信の文例は、特急料金の決め方の記事にあります。

③一部だけ受ける:受ける範囲と受けない範囲を分けて書く

一部だけ受けるときは、受ける範囲と受けない範囲を、作業の名前で並べて書きます。「できるところまで」と書くと、どこまでが自分の担当なのかで、あとで先方と食い違います。

例では、D社のLPのうちデザインに8時間かかると見積もりました。10月22日(木)に着手すれば、10月23日(金)にデザインを渡せます。

コーディングは先方で別の人に頼むことになり、その人の作業日も要ります。この例で10月27日(火)の納品までに残るのは平日2日なので、間に合うかを先方に確かめてもらいます。③は、先方にすぐ動けるコーディングの担当者がいるときに向きます。

件名:Re: LP制作のご依頼について(デザインのみのご相談)
株式会社D 〇〇様

お世話になっております。△△です。
LP制作のご依頼、ありがとうございます。
ほかの案件と締切が重なっており、デザインからコーディングまでを10月27日(火)に仕上げることはできません。
デザインのみでしたら、10月23日(金)にデザインデータをお渡しできます。
コーディングは別の方にご依頼いただく形になり、10月27日の納品までにコーディングに使える日は2営業日です。この日数で間に合うかを、ご担当の方にご確認いただけますでしょうか。
間に合う場合は、データの渡し方をご担当の方と直接ご相談させてください。

△△(署名)

④知り合いを紹介する:紹介する前に知り合いの了解と空きを確かめる

知り合いを紹介するときは、先方に名前を出す前に、知り合い本人に了解と空きを確かめます。了解を取る前に、先方へ知り合いの名前を出さないでください。知り合いが受けられなかったときに、先方をもう一度待たせることになります。

紹介した後のやり取りと契約は、先方と知り合いが直接行う形にし、メールにもそう書きます。

知り合いに送る確認のメール

知り合いへの確認は、取引先の名前を出さずに送ります。返事の期限は、先方に返事をすると伝えた日時より前にします。

例では、この章の最後で紹介する一次返信で、先方に10月14日(水)中に返事をすると伝えています。そのため、知り合いには同じ日の正午までと頼んでいます。

件名:お仕事のご紹介の件
□□さん

お疲れさまです。△△です。
取引先から、LP制作(デザインからコーディングまで、10月19日着手・10月27日納品の希望)の相談を受けています。
私は日程が合わずお受けできないのですが、□□さんをご紹介してもよいでしょうか。
ご都合が合いそうなら、10月14日(水)の正午までにお返事をもらえると助かります。

先方に送る紹介のメール

知り合いの了解が取れたら、先方へ次のように返します。

件名:Re: LP制作のご依頼について(ご紹介)
株式会社D 〇〇様

お世話になっております。△△です。
LP制作のご依頼、ありがとうございます。
あいにく今回は日程が合わず、私はお引き受けできません。
代わりに、LPのデザインとコーディングを手がけている□□さんをご紹介できます。ご本人には、ご希望の日程で対応できることを確かめています。
よろしければ、□□さんの連絡先(〇〇@example.com)に直接ご連絡ください。お見積もりや進め方は、□□さんと直接ご相談いただく形になります。

△△(署名)

返事はいつまでに送る?決められないときの一次返信

依頼が届いた日のうちに、受け取ったことと、いつまでに返事をするかだけでも送ります。この最初の短い返事を、一次返信といいます。受けるかどうかを決めるのは、遅くとも翌営業日までにします。

返事を後回しにすると、先方から先に打ち切られることもあります。クラウドワークスの「みんなのお仕事相談所」には、依頼を受けたあとに体調不良と介護が重なり、連絡を忘れているうちに先方からキャンセルのメールが届いた、という相談があります。

相談した人は、もっと早く事情を話して断ればよかったと書いています。

件名:Re: LP制作のご依頼について
株式会社D 〇〇様

お世話になっております。△△です。
LP制作のご依頼、ありがとうございます。内容を拝見しました。
日程を確認し、10月14日(水)中にお返事いたします。

△△(署名)

継続案件の取引先からの依頼を断るには?

追加の依頼を断るときは、毎月の仕事は続けると最初に書きます。継続案件そのものを終えたいときは、伝える前に契約の更新と解約の条件を確かめます。

毎月の仕事は続け、追加の依頼だけ時期をずらす

続いている取引先には、追加の依頼を受けられなくても、毎月の仕事は変わらないことをはっきり伝えます。例として、D社の依頼の代わりに、毎月バナーを4本受けているB社から、同じ25時間かかるLPを頼まれた場合を考えます。

手持ちの案件は3ステップの例と同じなので、着手できる日は10月22日(木)、納品できる日は10月29日(木)です。

メールの最初に、毎月のバナーはこれまでどおり納品すると書き、そのあとに追加分の日程を続けます。続けることを先に書き、ずらすのは追加分だけと分かる順番にします。

件名:Re: LP制作のご相談
株式会社B 〇〇様

いつもお世話になっております。△△です。
LPのご相談、ありがとうございます。
毎月のバナー制作は、これまでどおり月4本をご指定の日に納品します。
LPは、ほかの案件と締切が重なっているため、10月22日(木)からの着手であればお引き受けできます。
納品は10月29日(木)を予定しています。
この日程が難しい場合は、ご希望の時期を教えていただければ、あらためて日程を考えます。

△△(署名)

継続案件そのものを終えたいときは、契約の更新・解約の条件を先に見る

続いている案件そのものをやめたいときは、まず契約書や発注時のメールで、更新の時期と、解約を申し出る期限を確かめます。条件を見ないまま伝えると、いつまで作業が続くのかで先方と食い違います。

みんなのお仕事相談所には、毎月更新の継続案件を、手間や業務量に対して割に合わないと感じて終えたいという相談もあります。更新しないことが契約上どう扱われるかは契約の中身によるので、この記事では判断しません。

条件を確かめたら、申し出の期限より前に「次の更新で終えたい」と伝え、引き継ぎの資料づくりなど、自分ができることを申し出ます。

案件を断るメールで避けたい書き方

避けたいのは、先方が次に何をすればよいか分からなくなる書き方です。よくある書き方と、言い換えを並べます。

書き方 先方が困ること 言い換え
返事をしないまま数日おく 検討中なのか、断られたのかが分からない 当日中に「○日までにお返事します」と送る
「今は忙しくて」だけで終える いつなら頼めるのかが分からない 「○月○日以降に着手する案件ならお受けできます」と日付を添える
ほかの取引先の名前や案件の中身を理由に書く 自分の案件も、よそで話されるのではと不安になる 「お預かりしている案件と締切が重なっており」とだけ書く
できるか分からないまま「やってみます」と受ける 約束の日に届くと考えて、社内の予定を組んでしまう 3ステップで着手できる日を出し、間に合わなければ①〜④から選んで返す
断ったあと、何も連絡しない 次に頼んでよいのかが分からない 手が空く時期に、こちらから一言送る

表の最後の行の「こちらから一言送る」を忘れないように、声をかける日は返事を送ったその日に決めます。決めずにおくと、手が空いた頃には、誰に声をかけるつもりだったかを思い出しにくくなります。

TASKULで手持ちの案件の締切を並べ、見送った依頼を残す

3ステップの章で手でやった4つのうち、1つ目の締切を拾う作業と、2つ目の確認待ちの戻り予定を探す作業は、TASKULでは要らなくなります。締切も戻り予定も、TASKULのタスクカレンダーに1画面で並ぶからです。ただし、依頼を受けたときに、プロジェクトの納期とタスクの期限を入れておくことが前提です。

TASKULで探すことと自分で計算することを分けた図。TASKULで見るのは締切と確認待ちの戻り予定、自分でやるのは残りの作業時間を足すことと日付に割り振ることで、そこから着手できる日を出す
締切と確認待ちの戻り予定はTASKULで探し、作業時間の合計と日付への割り振りは自分で計算します。

残りの2つ、作業時間を足すことと日付に割り振ることは、TASKULを使っても自分でやります。TASKULのタスクには作業時間を入れる欄がないので、3ステップの表は自分で作ります。

3ステップで手でやったこと TASKULで見る場所 自分でやること
3件の締切を拾う タスクカレンダーの「月間」、「全てのタスク」の画面の「今月」 依頼を受けたときに、プロジェクトの納期とタスクの期限を入れておく
確認が戻る予定を探す タスクの状態「確認中」と、その期限 先方から戻る予定の日を、タスクの期限に入れる
残りの作業時間を足す タスクの「説明」欄(一覧では「メモ」の列に出る) 合計は自分で計算する(作業時間の入力欄はない)
1日5時間ずつ日付に割り振る タスクカレンダー(Googleカレンダーと連携していれば、予定の入った日が見える) 割り振りは自分で表に書く

タスクカレンダーと「今月」の絞り込みで、手持ちの締切を並べる

タスクカレンダーには、タスクの期限とプロジェクトの納期が日付ごとに並びます。Googleカレンダーと連携していれば、Googleカレンダーの予定も同じ画面に出ます。表示は「週間」と「月間」で切り替えられます。

「全てのタスク」の画面と、プロジェクトごとのタスクの一覧では、「期日」の列で絞り込めます。選べるのは「期限切れ」「今日」「今週」「今月」「期限なし」です。

「今月」に出るのは、今日から月末までに期限があるものだけです。期限を過ぎたものは「期限切れ」で見ます。

確認待ちの作業は、タスクの状態を「確認中」にし、期限に先方から戻る予定の日を入れておきます。戻る予定の日がカレンダーに並ぶので、3ステップの②で確認待ちを数え忘れにくくなります。

Googleカレンダーと連携していると、期限を入れたタスクは、期限の時刻から1時間の予定としてGoogleカレンダーにも入ります。戻る予定の日や声をかける日のタスクも、その1時間は予定が入った扱いになり、次の節のTASKUL AIが返す空き時間から外れます。

先方の戻りが遅れたときは、期限を新しい戻り予定の日に直しておくと、「期限切れ」に並び続けずに済みます。

TASKUL AIに、Googleカレンダーの空き時間を聞く

TASKULのAIアシスタント「TASKUL AI」に「来週の空き時間は?」と聞くと、Googleカレンダーの予定が入っていない時間帯を1時間単位で調べます。答えは「10/14(水)11-12時、14-15時」のように、そのままメールに貼れる形で返すように作られています。

ただし、AIが見ているのはGoogleカレンダーの予定だけです。前の節のとおりタスクは1時間の予定として入りますが、作業に何時間かかるかはAIには分かりません。AIが返す空き時間は、作業に使える時間と同じではありません。

着手できる日は3ステップの表で出し、空き時間は、返事に打ち合わせの候補日時を添えるときに使います。1回で調べられるのは最大7日分で、時間を指定しなければ9時から21時の間で探します。

Googleカレンダーと連携していないと使えません。聞くたびにAIクレジットを使い、Freeプランで使えるのは月200クレジットです。

紹介できる知り合いをパートナーリストに登録しておく

紹介できる知り合いは、パートナーリストに登録しておくと、依頼が来たときに誰がどの作業を受けられるかを見返せます。登録画面には「職種カテゴリ」「スキル(カンマ区切り)」「費用感」「面談メモ / 備考」などの欄があります。

手入力で追加するほか、過去にプロジェクトなどで一緒に作業したTASKULユーザーなら、「TASKULユーザーから追加」で選べます。

面談メモには、前に紹介した取引先や、本人が受けたいと言っていた作業を書いておきます。登録してあっても、紹介する前には毎回、本人に了解と空きを確かめます。パートナーリストは、Freeプランでも使えます。

TASKULのパートナーリストで、紹介できる知り合い「佐藤」を開いた画面。肩書きはフリーランスWebデザイナー、スキルは「LPデザイン」「コーディング」、面談メモは「LPのデザインとコーディングを受けたいと話していた。紹介する前に、毎回了解と空きを確かめる。」
登録した知り合いを開くと、スキルと面談メモをまとめて見返せます。画面では、例文の□□さんを佐藤としています。データは架空です。

見送った依頼を「受注前」のプロジェクトで残し、もう一度声をかける日を決める

見送った依頼は、プロジェクトの状態を「受注前」にして残し、もう一度声をかける日をタスクの期限にします。声をかける日がタスクカレンダーに並ぶので、手が空いた時期に連絡し忘れにくくなります。

Freeプランのプロジェクトは10件までで、削除したものも10件に数えます。Freeプランの人が作ったプロジェクトにメンバーとして参加している分も、10件に含まれます。

上限に達すると「プロジェクト数が上限に達しました」と表示され、新しいプロジェクトを作れません。

見送った依頼を1件ずつプロジェクトにすると、手持ちの案件を登録する枠が足りなくなります。Freeプランでは、「見送った依頼」という受注前のプロジェクトを1つだけ作り、依頼ごとにタスクを足して、声をかける日を期限にしてください。

有料のStandardプラン以上はプロジェクトの数に上限がなく、14日間無料で試せます。

断った案件を残すTASKULの受注前のプロジェクト「見送った依頼」。タスク「D社に声をかける」の期日は2026/10/21、メモは「10/22以降なら受けると返信済み」。左の一覧では、進行中の3件と並んで「受注前」と表示されている
①見送るの例文でD社に返事をした場合の画面です。受注前のプロジェクト「見送った依頼」にタスクを足し、着手できる10月22日の前日の10月21日を、声をかける日として期日に入れています。データは架空です。

TASKULに向かない人もいます。依頼が来るのが月に1回あるかどうかで、手持ちの案件も2〜3件なら、3ステップの表を紙に書くだけで足ります。作業時間から着手できる日まで自動で出したい人にも、計算する機能がないので向きません。

手持ちの案件が増えて、締切と確認待ちを探すだけで返事が遅れているなら、TASKULのFreeプランで、手持ちの案件の締切をタスクカレンダーに並べてみてください。

よくある質問

フリーランスが仕事を断ると、次から依頼が来なくなりますか?

来なくなるとは限りません。受けたあとに遅れるほうが、先方の予定を崩すぶん、関係を損ねやすくなります。断るときは、いつ以降なら受けられるかを添え、手が空く時期にこちらから声をかける日を決めておきます。

断るときの理由は、どこまで書けばいいですか?

1文で足ります。「お預かりしている案件と締切が重なっており」のように書き、ほかの取引先の名前や案件の中身は書きません。「忙しい」だけで終えず、いつ以降なら着手できるかを日付で添えます。

電話で依頼されたときは、その場で返事をするべきですか?

その場では決めず、「○日までにメールでお返事します」と伝えて電話を終えます。そのあとで3ステップの表を作って着手できる日を出し、返し方を選んでメールで返します。

単価が合わない依頼も、同じ書き方で断っていいですか?

日程の例文とは書き方が変わります。断る理由が日程ではないので、この記事の判断表は当てはまりません。

単価が合わない依頼には、作業ごとの料金と含む範囲を先に示す返し方が向きます。フリーランスの料金表の作り方の記事では、Web制作の記入例で、料金と含む範囲の決め方を説明しています。

続いている取引先の依頼を、知り合いに紹介してもいいですか?

先方と知り合いの両方が了解すれば、紹介できます。毎月の仕事は自分で続け、追加の依頼だけを知り合いに紹介する形もあります。その場合も、紹介した後のやり取りと契約は、先方と知り合いが直接行う形にします。

まとめ

フリーランスの案件の断り方は、見送る・開始日をずらす・一部だけ受ける・紹介するの4つです。どれを選ぶかは、返事の前に出す「着手できる日」と、日程を動かせるか・作業を分けられるか・紹介できる人がいるかで決まります。今日の返事は、次の順で進めます。

この記事のまとめ

  1. 手持ちの案件を締切順に並べ、残りの作業時間と確認待ちの戻り予定を書く
  2. 新しい依頼の作業時間を足して、着手できる日と納品できる日を出す
  3. 判断表で返し方を1つ選び、例文を直して今日のうちに返す

見送った依頼には、もう一度声をかける日を決めておきます。手持ちの案件が増えて、締切と確認待ちを探すだけで返事が遅れるようになったら、TASKULのFreeプランで、プロジェクトの納期とタスクの期限をタスクカレンダーに並べてみてください。

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この記事の執筆者

執筆

TASKUL編集部

TASKUL(タスクル)の編集チーム

フリーランスや制作会社向けのタスク管理ツール「TASKUL(タスクル)」の編集チームです。複数の案件を抱える制作者から寄せられる、段取り・見積・請求の困りごとをもとに記事を書いています。

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