見積に「この内容でお願いします」と返事が来て、受注のお礼メールに何を書けばいいのか、原稿や写真のお願いも一緒に書いていいのか、と手が止まっていませんか。
受注のお礼メールには、お礼に加えて、決まった条件の控え・先方にお願いする作業と期限・こちらが次にやる作業と日付・連絡の窓口を書きます。架空の発注メールから先方の作業と期限を抜き出す表と、直して使える例文3つを載せました。
この記事は、Web制作の仕事を受けている個人で、発注が決まった日にお礼と一緒に制作の段取りを伝えたい人向けです。営業職の受注のお礼や商談へのお礼は扱いません。
まだ金額や納期が決まっていない人は、足りない取引条件を聞き返す手順の記事が先です。最後に、発注メールから先方の作業を書き出す手間を減らす方法も、できないことと合わせて紹介します。
受注のお礼メールには何を書く?
件名・お礼・決まった条件の控え・先方にお願いする作業と期限・こちらが次にやる作業と日付・連絡の窓口の6つを書きます。お礼の言葉だけで終えると、先方は「次に自分が何をすればいいか」を別のメールで待つことになります。
期限と次に送る日付を書いておけば、先方は、ロゴは11月6日(金)までに、原稿と写真は11月13日(金)までに送ればよいこと、11月20日(金)にデザイン案が届くことが分かります(架空の例)。
6つの項目を表にまとめました。右の列は、その項目を書かなかったときに先方の側で起きやすいことです。
6項目を入れると、短くても次のような1通になります(架空の例。省かずに書いた形は次の章の例文1です)。
件名:【ご発注のお礼】〇〇整骨院様 Webサイト制作
このたびはご発注いただき、ありがとうございます。
お見積り(No. Q-2026-041)のとおり、12月18日(金)の公開で進めます。
ロゴのデータ(ai・png)は11月6日(金)までに、原稿と写真は11月13日(金)までにお送りください。
11月20日(金)に、トップページのデザイン案をお送りします。
ご連絡は、このメールへの返信でお願いいたします。
打ち合わせをしてから進めたいときは、⑤の下に日程の候補を1行足してください。打ち合わせのあとに送る議事録の書き方は、Web制作の打ち合わせ議事録の記事にあります。
決まっていない条件は、お礼メールで聞き返さない
お礼メールは、決まったことを控えて、先方の作業を頼む1通にします。お礼と条件の確認が1通に混ざると、先方はどこに返事をすればいいか分からなくなります。
金額・納期・修正の回数などがまだあいまいなら、お礼メールの前に足りない取引条件を聞き返す手順で確かめておきます。どうしても1点だけ残ったときは、本文の最後に「1点だけ確認させてください」と段落を分けて書きます。
件名には「案件名」と「ご発注のお礼」を入れる
件名を見ただけで、何の案件の、何のメールか分かるようにします。架空の例では次のように書きます。
- 【ご発注のお礼】〇〇整骨院様 Webサイト制作
- ご発注のお礼と今後の進め方(〇〇整骨院様 Webサイト制作)
- Webサイト制作のご発注のお礼(お見積りNo. Q-2026-041)
案件名は、見積を送ったときの件名とそろえます。考え方はWeb制作の見積書を送るメールの記事と同じです。
受注のお礼メールの例文【Web制作・3つの場面】
3通とも架空の例です。取引先は「〇〇整骨院」、制作物はWebサイト5ページ(トップ・施術案内・料金・院の紹介・アクセス)、見積書の番号はQ-2026-041、金額は税抜440,000円(税込484,000円)、デザインの修正は2回まで、公開日は2026年12月18日(金)です。発注が決まった日は11月4日(水)としています。
先方の作業と期限は、次の章で発注メールから抜き出した表から取っています(例文2・3は短くするため一部を省いています)。名前・日付・金額は、自分の案件に置き換えてください。
例文1:新規の取引先から初めて仕事を引き受けたとき
前の章の6項目を全部入れた形です。初めての取引先は進め方を知らないので、先方の作業を省かずに並べます。
結びで返事を求めているのは、期限が難しいかどうかだけです。お礼への返信は求めていません。
例文2:続けて依頼をくれる取引先から発注を受けたとき
前にも仕事をした取引先には、お礼は1文にして、今回の条件と期限だけを書きます。「いつもの流れで」とまとめず、今回の期限は日付で書きます。
料金表のように頼むものがほかにもあれば、1行ずつ足してください。期限の日付だけは、短い版でも削りません。
例文3:チャットで「お願いします」と発注が来たとき
ChatworkやSlackで発注が届いたら、同じチャットに短く返します。条件の控えは見積書の番号と金額で代えます。
チャットは流れて見返しにくいので、期限の行は箇条書きにしておきます。チャットで届く依頼をタスクにしていくやり方は、Chatworkのタスク管理の記事にあります。
受注のお礼メールで、先方にお願いすることと期限はどう書く?
例文で先方にご用意をお願いしている行は、届いた発注メールから作ります。発注メールには、先方がやる作業がはっきり書かれていないことが多いので、書いてある作業と、書かれていないけれど要る作業を分けて拾います。
発注メールの一言から先方の作業を拾い、書かれていないロゴのデータも足して、公開日から逆算した期限を付けます(架空の例)。
次の発注メールは架空の例です。11月4日(水)に、見積への返事として届いたものとします。
このメールから拾った作業を、誰がやるかと期限で並べたのが次の表です。期限は、公開日の12月18日(金)からさかのぼって決めています。
料金は、改定後の金額や改定日が発注メールからは分かりません。お礼メールでは「改定後の料金表を11月10日(火)までに」とだけ頼み、改定日などはここでは聞きません。
この例では、8行の発注メールから拾えた3つ(写真・料金表・原稿)に、書かれていなかった2つ(ロゴ・デザイン案の確認)を足して、先方の作業を5つにしました。どれにも日付が無かったので、5つすべてに期限を決めてから、お礼メールの箇条書きに写しました。
届いた原稿や写真を、そろったかどうか見ていく管理は、届いた原稿・写真を管理する素材管理表の記事で扱っています。
期限が書かれていない作業は、こちらから日付を提案する
先方は制作の段取りを知らないことが多いので、「いつごろご用意できますか」と聞くより、こちらから日付を決めたほうが話が早く進みます。
12月18日(金)の公開から、11月20日(金)のデザイン案、11月13日(金)の原稿と写真へとさかのぼって期限を決めます。
例では、12月18日(金)の公開に向けて、11月20日(金)にデザイン案を出すには原稿と写真が11月13日(金)に要る、という順で決めました。さかのぼり方そのものは、公開日から逆算する日付一覧の作り方の記事にあります。
例文のように日付を書いたうえで、「期限が難しいものがあればお知らせください」と添えると、押し付けに感じられにくくなります。
先方の作業は「最初の2〜3週間」の分だけ書く
お礼メールに書くのは、デザイン案の確認までの分にとどめます。公開までの全部の作業を1通に並べると、先方にとって今やることがどれか分かりにくくなるからです。
テスト環境の確認など後半の作業は、デザイン案を送るメールで改めて伝えます。確認をお願いするときの書き方は、デザイン案の確認依頼メールの記事にあります。
受注のお礼メールはいつ送る?送ったあとにやること
送る時期に決まりはありません。原稿や写真の準備を始める前に届くよう、発注を受けた日のうちに送ると、先方が期限を予定に入れやすくなります。
お礼メールは、法律で送るよう決められたものでもありません。「何時間以内がマナー」という書き方も見かけますが、決まった基準ではないので、先方の作業が始まる前に期限が伝わるかどうかで考えます。その日のうちに条件を確かめられないときは、「ご発注ありがとうございます。進め方は明日あらためてお送りします」と先に一言だけ返しておく方法もあります。
先方の作業を、期日つきで控えておく
送ったら、お礼メールに書いた期限を、自分の管理表やタスクにも同じ日付で入れます。期限を先方にだけ伝えて自分の手元に控えていないと、その日を過ぎても気づけません。
1件の中でもロゴは11月6日、原稿は11月13日と期限が分かれます。取引先が複数あれば、追う期限はその分だけ増えます。いくつもの案件の期限を1か所で見るやり方は、複数の案件を同時に管理する方法の記事にまとめています。
期限の前日に一言送る
期限を過ぎてから初めて連絡するより、前日に一言送っておくほうが、先方も「間に合わない」と言い出しやすくなります。この例なら、原稿と写真の期限の前日にあたる11月12日(木)に、次の一言を送ってください。
期限を過ぎても届かないときの催促の仕方や、公開日をずらす相談は、期限を過ぎても原稿や確認が戻らないときの催促文例の記事にあります。
受注のお礼メールを送る前に、発注メールから先方の作業と期限をまとめる方法(TASKUL)
前の章までに手で行ったのは、①発注メールから作業を書き出す ②期限の無い作業に日付を決める ③お礼メールに写す ④期限を自分の手元に控える、の4つです。このうち、①の下書き、③の書き写し、④の控えはTASKUL(タスクル)で手間を減らせます。
②の日付を決めることと、AIが拾わなかった先方の作業を足すことは、自分でやる必要があります。
AIが作るのは案件とタスクの下書きまでです。先方の作業を足す、期日を入れる、一覧をコピーしてお礼メールを送るのは自分で行います。
発注メールを新規プロジェクトの「依頼文・議事録から自動作成」に貼ると、AIが案件の概要・タスク・着手前の確認事項を作ります。案件の作成とこの機能は、Freeプラン(プロジェクト10件まで・AIクレジット月200)で使えます。AIでの作成にはAIクレジットを使います。
架空の発注メールで試す手順
①「依頼文・議事録から自動作成」を選び、発注メールを貼る
「新規プロジェクト作成」を押し、「依頼文・議事録から自動作成」を選びます。プロジェクト名に「〇〇整骨院 Webサイト制作」、期日に公開日の12月18日を入れ、「依頼文・議事録を貼り付け」の欄に、前の章の発注メールをそのまま貼って「登録する」を押します。
発注書がPDFで届いたときは、ファイルを欄にドラッグして添付することもできます。
「新規プロジェクト作成」から「依頼文・議事録から自動作成」を開き、プロジェクト名・クライアント・期日(2026-12-18)を入れて発注メールを貼った画面です。「登録する」を押す前の状態です。データは架空です。
②できたタスク・案件概要・確認事項を、抜き出した表と見比べる
登録すると案件の画面が開き、AIが分析を始めます。できた「プロジェクトのタスク」、案件概要、「確認事項」の「着手前」の項目を、前の章の表と見比べます。
案件概要では、あいまいな点に「要確認」と書かれるようになっています。この例なら、改定予定の料金に「要確認」が付いているかを確かめます。
表にあってタスクに無い先方の作業は、手でタスクを足します。理由は下の「TASKULでできないこと」に書きました。
③先方の作業のタイトルの頭に【先方】と付け、期日を入れる
先方の作業は、タイトルを「【先方】ロゴのデータ(ai・png)」のように直し、表の期限を期日に入れます。この発注メールにある日付は「12月中旬」「来週」だけなので、期日は表で決めた日付を自分で入れます。
④タスクの一覧をコピーして、お礼メールに貼る
「プロジェクトのタスク」の見出しの横にあるコピーボタン(スケジュールをテキストでコピー)を押すと、タスクの名前と期日が1行ずつ、「【先方】ロゴのデータ(ai・png) 〜11/6」の形でクリップボードに入ります。期日の無いタスクは「未設定」と出ます。
【先方】を付けて期日を入れたあとの「プロジェクトのタスク」です。見出しの横のコピーボタンを押すと、9件のタスクが「【先方】ロゴのデータ(ai・png) 〜11/6」「デザイン修正 未設定」のように1行ずつコピーされました。データは架空です。
コピーされるのは、その案件のタスク全部です。お礼メールに貼ったら、【先方】の付いた行だけを残し、行の頭の【先方】を消して、日付を「11月6日(金)まで」の形に直します。【先方】を付けておくと、この段階で先方の行をすぐに見分けられます。
⑤見積書の状態と案件の状態を、それぞれ切り替える
案件の「見積」タブで、見積書の状態を「受注済み」にします。案件の状態は作ったときの「受注前」のまま変わらないので、「進行中」に切り替えます。
「見積」タブで見積書の状態「送付済み」を押すと、下書き・送付済み・閲覧済み・受注済みから選べます。案件名の横の状態は「受注前」のままなので、別に切り替えます。データは架空です。
案件名の横の「受注前」を押すと、状態の一覧が開きます。発注が決まったら「進行中」を選びます。データは架空です。
TASKULでできないこと
- 取引先にメールを送る機能はありません。お礼メールは、コピーした一覧を自分のメールやチャットに貼って送ります
- 案件にメンバーがいるときは、担当者はメンバーから選ぶ形になり、取引先の名前は選べません。先方の作業はタイトルの頭の【先方】で見分けます
- TASKULのAIは、発注メールに日付が無い作業の期日を推測で埋めないように作られています。期限の日付は、公開日からさかのぼって自分で決めます
- TASKULのAIは、素材の整理のような「やって当たり前のこと」をタスクにしないように作られています。原稿・写真・ロゴの用意が先方のタスクとして作られるとは限りません
- 見積書を「受注済み」にしても、案件の状態は自動では変わりません
- 貼った文面や添付したファイルは、AIの分析のためにサーバーで処理されます。取引先の名前や金額を伏せた文面で試せます
発注が月に1〜2件で、作業を書き出す手間が気にならないなら、TASKULを使わずに、この記事の表を手で作るだけで足ります。
発注のメールが届くたびに、先方の作業を書き出してお礼メールに写す手間が気になってきたら、TASKULのFreeプランで、発注メールを貼って案件とタスクにする流れを試せます。
受注のお礼メールでよくある質問
お礼メールへの返信は、相手に求めるべきですか?
お礼だけなら、返信を求めなくてかまいません。ただ、期限が難しいかどうかは返事をもらいたいので、「期限が難しいものがあればお知らせください」と書いておきます。
発注書(注文書)が届いたら、お礼メールとは別に注文請書を出すべきですか?
取引先との取り決めによります。注文請書は発注を受けることを伝える書類で、お礼メールはあいさつと段取りの連絡です。注文請書を求められたら、お礼メールとは別に出します。
電話や打ち合わせの場で発注が決まったときも、お礼メールは送りますか?
送ります。口頭で決まった条件を文字で残す控えになるからです。口頭で決まった条件をメールで確かめる書き方は足りない取引条件を聞き返す手順の記事にもあります。
お礼メールで金額や納期を書き間違えたら?
気づいた時点で、正しい行だけを書いた訂正の1通を送ります。どの見積の話か分かるよう、見積書の番号を添えます。
続けて発注をくれる取引先にも、毎回お礼メールを送りますか?
送ります。ただし長いお礼は要りません。例文2のように、今回の条件と期限だけを短く書きます。
まとめ|受注のお礼メールは、先方の作業と期限を日付で書いて送る
受注のお礼メールに書くのは、件名・お礼・決まった条件の控え・先方にお願いする作業と期限・こちらが次にやる作業と日付・連絡の窓口の6つです。先方の作業は発注メールから書いてあるものと書かれていないものを分けて拾い、期限の無いものには公開日からさかのぼって日付を決めます。
決まっていない条件はお礼メールに混ぜず、送ったあとは期限を手元に控えて、前日に一言送ります。
受注が続いて、発注メールから先方の作業を書き出して写す回数が増えてきたら、TASKULのFreeプランで、発注メールから案件とタスクを作る流れを試せます。
